雨の国の王者

探偵小説好事家本人のためのノート

南条範夫『江戸乱れ草紙』春陽堂(春陽文庫)

南条範夫『江戸乱れ草紙』春陽文庫

 旗本の嫡男<桜富士之介>を通し主人公とした連作短篇。

 わたくしが、一等、興味深かったのは、第五話「証拠のない殺人」。

 これは、作中でも、一風変わった趣向で、実にユニーク。 

 重圧な作品を好むひとには、向かないかもしれないが、肩の凝らない軽い謎ときを愉しむ方には、わたくは、悪くはない作品だと思う。

 2025年11月9日読了。