雨の国の王者

探偵小説好事家本人のためのノート

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

エド・マクベイン『死が二人を』早川書房(ハヤカワ・ミステリ文庫)

カバー・金森 達 さて、いよいよ<テディ>と<スティーヴ>の結婚式だ。 このめでたい舞台に、悲劇が襲い掛かる。 <87分署>のメンバで、損な役回りは、またしてもわが<コットン・ホース>。 こんなにこてんぱんに殴られちゃって、色男も台無しだ。 わた…

エド・マクベイン『レディ・キラー』早川書房(ハヤカワ・ミステリ文庫)

カバー・金森 達 わたくしは、<87分署>シリーズは、井上一夫の翻訳が好みだが、コミカルなお話しの捌きは、田中小実昌がばつぐんに上手いと思う。まあ、文章の好き嫌いなんて、人それぞれの感覚だから、選ぶ語彙やリズムが、ちょうどわたくしに合っている…

エド・マクベイン『殺しの報酬』早川書房(ハヤカワ・ミステリ文庫)

カバー・金森 達 『警官嫌い』のプロットが『ABC殺人事件』にヒントを得ていると考えるなら、本書は、ある意味『オリエント急行の殺人』に触発されているかもしれない、と考えるのは穿ち過ぎか。 今回は、モテ男<コットン・ホース>が先の『被害者の顔』…

エド・マクベイン『被害者の顔』早川書房(ハヤカワ・ミステリ文庫)

カバー・金森 達 いよいよ<コットン・ホース>登場。 「街角のあなた」(『ハヤカワ・ミステリマガジン』)で、さる読者の方が、彼のことが贔屓だと述べていたように記憶する。 わたくしが憶えている<コットン・ホース>像は、髪はシルヴァーグレイで、額…

エド・マクベイン『ハートの刺青』早川書房(ハヤカワ・ミステリ文庫)

カバー・金森 達 さてなぜ犯人は、被害者に刺青を施すように促したのか最後まで理解できなかった。サイコパスだから、で済ませばそうかもしれないが。 サスペンスフルな、終盤のたたみかけは、すごいな。 危うし<テディ>。彼女を危機を救えるのか<スティ…

その117続続続続一人二役(2022/06/07)

(略) ところで今度数冊を読み返しているうち、「トランプ殺人事件」のあとがきに新保博久氏が、こんなことを記しているのに初めて気づいた。 ・・・・・・竹本氏が理想とする三冊の探偵小説ー「黒死館殺人事件」「ドグラ・マグラ」「虚無への供物」にしても、私…

エド・マクベイン『警官嫌い』早川書房(ハヤカワ・ミステリ文庫)

カバー・金森 達 あの頃、定期購読していた『ハヤカワ・ミステリマガジン』では「街角のあなた」という読者参加の頁があったように思う。巷の探偵小説好きが取材を受けるコーナー。作家デビュー前の<霞流一>氏の登場回も記憶にあるなあ。そして、その巧み…