雨の国の王者

探偵小説好事家本人のためのノート

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

高林陽一監督『本陣殺人事件』1975年

もちろん名探偵<金田一耕助>初登場の横溝正史の傑作長篇が原作だが、それを忠実かつ丁寧な映像で表現していて実に好もしい。またミステリファンをくすぐるような仕掛けも施してあって、これまた愉快。 世間では、登場する<金田一耕助>が当世(今)風でな…

その109その昔

世間では大型連休だというのに、新型コロナウィルスのせいで、不要不急の外出は控えて、さて何をしようかと、パソコンの前に鎮座してのインターネットサーフィン。 でも、悪いこと(とはいえないかもしれないけれども)があれば、良い(嬉しい)ことはあるも…

その108「ハードボイルドだど・その7」

さて、最後は、私選『第二期・日本ハードボイルド全集(全 7 巻)』の編集で締めくくろう。 私の、第一期ラインアップ予想は<北上次郎>に斟酌した作家たちであったので、第二期については、真っ白な状態からスタートする。 そこで選んだのが、以下の7名と…

その107「ハードボイルドだど・その6」

さて、解答が出たようなので、答え合わせをしよう。 まずは、東京創元社のウェブマガジン<Webミステリーズ!>http://www.webmysteries.jp/archives/26105713.htmlをご覧あれ。 1巻は、すでに判っているし、7巻はアンソロジーということなので、両者は…

丹野雄二監督『ハレンチ学園 身体検査の巻』1970年

こどもの日に、いったいわたくしは、なんという題名の映画を鑑賞しているのだい? ううむ、貴重な時間を無駄にしてしまった。 わくしはゴミ映画と判断する。 まあ我慢できたのは、<マカロニ>対<殺し屋ジョー>の対決(<宍戸錠>二役)。というか<殺し屋…

鈴木則文監督『多羅尾伴内』1978年

<竹井みどり>が、副主人公クラスの出演でこれはめでたいが、人気アイドル歌手<穂高ルミ>役の<三崎奈美>は、なんだか顔が浮腫んでみえるなあ。若さゆえかメイクのせいか、好きな女優だけに残念。 肝心のストーリイは入り組んでいてなかなか巧妙。けれど…

弓削進監督『怪人二十面相 第一部人か魔か/第二部 巨人対怪人/ 第三部 怪盗粉砕』1954年

年少のよいこたち向けの探偵映画だけど<少年探偵団>の面々が活躍するのは、第一部ぐらいで、主人公は以降<怪人二十面相>に取って代わられる。 比較してはいけないのかもしれないが、以前視聴した、後発の東映映画『少年探偵団(小林恒夫監督)』の方がス…

石井輝男監督『やくざ刑罰史 私刑!』1969年

三話オムニバス。時代設定が、江戸時代(一話)、大正(二話)、現代(三話)となっている。 残虐味は、特に一話めが目を背けたくなるぐらい酷いが、三話めの現代も、惨たらしさはそれ以上かもしれない。けれども、如何せん加害者が直接手を下すのではなく、…