雨の国の王者

探偵小説好事家本人のためのノート

西村京太郎『日本のエーゲ海、日本の死』角川書店(KADOKAWA NOVELS)

カバーデザイン/安彦勝博
 本文イラスト/柳澤達朗

 複数犯による犯罪を裏で操る悪徳政治家。これは作者が好んで取り上げる題材だが、今回も強引すぎるなぁ。年齢もまだまだ若い犯行メンバたちの現在の生活はともかくこれからの面倒はどうやってみるのだろう。定職につかず身元を隠して生きている彼ら彼女たちは、将来のことが心配ではないのだろうか。たかだか数千万円ぐらいもらったからってこれからの人生の方がずっと長いよ。またメンバのうち二人も殺されていて、彼ら彼女たちの心情はいかがなものだろうか。怖気づいて呑気に豪華ヨットに乗って遊海している気分ではなかろうに。

 リーダービリティは相変わらず、抜群だが、いつものように都合のよい進み具合に納得しかねるが、ファンはまたそこに魅力を感じるのだろう。

 ちなみに本書のタイトルは、舞台となる場所のひとつの岡山県瀬戸内市牛窓が<日本のエーゲ海>と呼ばれている(そうだ)から。そして「日本の死」とは、私利私欲に塗れた日本の政治家を憂いてのネーミングだとわたくしは推測した。

 なお、本書に栞代わりにわたくしが挟んでいたのは、家の近くのコンビニエンスストアのレシート。日付は<2016年3月22日(火) 12:30>とある。たしかに、わたくしは、かすかだが、本書を読んだような記憶がある。レシートは最終ページに折り込んであったので、いつものように途中までの未読ではなく、既読だったのかもしれない。

 2026年8月16日読了。

 

9月8日(火)

 曇り。午後五時前後に雨が降る。それも、お湿り程度。

 スマートフォンのケースがとうとう壊れてしまった。子どもからもらったものだが、よく持続したのかもしれない。日ごろから肌身離さずの生活はしていないから、スマホなど無くても支障はないのだけれど、いざというときには案外役に立つからなぁ。スマホ本体を裸で持ち歩くのもなんだし。どういうケースがわたくしのようなものぐさにはあっているのだろうかしらん。

 夕食、白ぶどう酒、白飯、パプリカと茄子の南蛮漬け(残り物)、鱚のフライ、竹輪のあおさ揚げ、ちぎりレタス、胡瓜と烏賊。デザートは“柿”。わが家で採れたもの。若いがシャキシャキとして甘い。

9月7日(月)

 曇り。雨模様だが雨は降らない。夕方から風が強く吹くようになる。

 午前八時半前後のこと。この地域では有名な温泉旅館の玄関口に観光バスが停車していた。送迎の“送”の方だろう。バス運転席側の車輛の外で、年のころはアラフィフぐらいの男性二人が談笑している。一人はふんぞり返って煙草を燻らしながら、もう片方は腕組みしながら。自前の運転手ではないかもしれないが、お世辞にも格好良いとは云えないなぁ。ここの女将は高齢だが、筋の通ったような人物のように見受けられたが、周囲がこれではいささか幻滅である。密室のなかの誰も見ていないような場所での行動であれば納得はしないが許されるかもしれないが、大っぴらにこういう態度で接客の場に臨むなど言語道断と、元お客さま窓口対応経験者は嘆かわしく感じる。

 夕食、白ぶどう酒、白飯、小鯵の南蛮漬け(残り物)、南瓜スープ、ちぎりレタス、オクラ、焼き茄子、パプリカの肉詰め。“オクラ”と“焼き茄子”は、かつおの削り節をふりかけ、ポン酢で喰した。さすがどちらもわが家での採り立て。新鮮でおいしい。

9月6日(日)

 昨日のこと。病院の待合室で呼び出されるまでの間、持ってきた文庫本を読んだり。スマートフォンをいじったりしていたが、それも飽きたので、待合室正面の点けっぱなしになっている地上波民放TV放送を見る気はなしに眺めていた。長崎県佐世保市に本社をおく通信販売会社がテレビショッピングを放送していた。<井戸田潤>氏似の男性ともうひとり女性がペアでMCをしていた。卓上カセットコンロの紹介だったが、鍋物を実際に食事するシーンがあった。それが、“とり箸”ではなく“直箸”で喰べるのだ。最初の一口だったらそれでも許そう。しかしながら二口めもやっぱり“直箸”を使うのだよ。なんてこった。ここは日本じゃぁないか。中国や朝鮮半島向きに放送しているのではあるまいに。いっぺんで見る気が失せた。

 

 今日の天気。曇り一時晴れ。涼しさで眼が覚めた。今の時期は、自室の窓は外出時以外開けっ放しにしているから、否応なしに外気が入ってくる次第。それが今朝は、数日前とのそれと温度差があったのだろう。

 朝からお勉強。しばらくは通信講座は放りだしておいて、検定試験の学習の方に励む。それに飽きたら、風呂や洗面所や倉庫の掃除をする。

 昼食後、今日こそは歩くぞと心の中で決めていたのだけど、そういうときに限って、晴れるしおまけに暑さも増す。配偶者からも止められて断念する。ううむ。思い通りにはいかないものよ。口惜しいのでふたたび倉庫の掃除にかかる。あれほど捜していた新品未開封の“なめくじ駆除剤”を二袋発見する。これでわが家の“なめくじ駆除剤”が一気に四袋となって、めでたい。

 夕方から水まき。ついでにオクラの葉を痛めている憎き“ハマキムシ”を焼殺する。今まで黙認していたが、とうとうわたくしの我慢の限界を超えた。血祭にあげたのは、十数匹以上。どうだ参ったか。これに懲りて、二度とわが家のオクラに寄りつかないことだ。忠告を聞かないとまた痛い目に遭うぞ。

 夕食、白ぶどう酒、小鯵の南蛮漬け(残り物)、焼きめし、牛骨ラーメン。デザートは梨。

西村京太郎『五能線誘拐ルート』講談社(KODANSHA NOVELS)

ブックデザイン=熊谷博人
カバーイラストレーション=辰巳四郎
本文イラストレーション=柳沢達朗
※カヴァ欠

 題名にある「五能線」は冒頭に出てくるのみで、「五能線」が作品全体の舞台とはならず、事件は、岡山や大分など広範囲に及ぶ。

 これまた、作者、いたくお気に入りの複数犯による犯罪。それも後先を考えていない(自滅型の)犯罪者だ。探偵役(警察官)は、犯人に対して、心理プレッシャーを軽くかけるだけで、犯人は、いとも簡単に、ぼろを出してくれる。探偵にとってはまことに都合の良い解決。これだと検挙率は格段に上がるだろう。

 大きなお世話かもしれないが、わたくしが気になったのは、捜査費用だけ。ううむ。

 2026年8月13日読了。

9月5日(土)

 晴れ。空は雲がたくさん覆っているが、晴れは晴れ。その雲のちょっとだけ灰いろで他は白い。雲の隙間からみえるのは青空。

 土曜日恒例のスーパーマーケットに行ったあとに、通っている医院に行く。なんと一時間十分待ち。わたくしは諸事情により病院での待ち時間にはふつうのひとの数十倍ぐらい慣れているから気にならない。けれども慣れていない他人もいるようで、わたくしの来院前に着ていたお若い方が「あとどれぐらい待てばよいですか?」と受付に訊いていた。ううむ。やあ、そこの君。云わんこっちゃない。ほらね。すぐさま「あなたの受診は次です」と軽く応えられたでしょう。<待てば海路の日和あり>

 わたくしが病院の待合室で過ごした時間は、結局、上記のように一時間を越していたけれども、診察はたった数分で終了。それから徒歩で帰宅。帰宅途中に寄った薬局でもだいぶ待たされたから、自宅に着いたのは、午前十一時半前後。たかたが数分の診察のためにずいぶん時間を浪費してしまった。

 夕食、白ぶどう酒、白飯、ちぎりレタス、茄子とパプリカの南蛮漬け(残り物)、小鯵の南蛮漬け(残り物)、鰯のかば焼き、ナポリタンスパゲティ(残り物)、焼き平天。デザートは今日購入したぶどう(シャインマスカット)。配偶者は、家で採れた方が美味しいと豪語するが、わたくしはどちらも美味いと思う。もちろんその言葉は口には出さない。

西村京太郎『高山本線人事件』光文社(カッパ・ノベルス)

カバー・デザイン 亀海昌次

 やあ<西本>刑事の父上を、いとも簡単に殺してしまった。やるな京太郎先生。

 事件の解決手段が、謎をといて決着するのではない。犯人にプレッシャーをかけて、自滅させるのだ。これはいつものとおりで、謎ときを主題とする探偵小説では、アンフェアな範疇かもしれないが、京太郎先生は、もとよりそういう類の探偵小説を目指していないし、熱心なファンもそれを期待している訳ではない。だから両者ウィンウィンなのだ。良いも悪いも、安定の読後感。

 2026年8月12日読了。