
本文イラスト/柳澤達朗
複数犯による犯罪を裏で操る悪徳政治家。これは作者が好んで取り上げる題材だが、今回も強引すぎるなぁ。年齢もまだまだ若い犯行メンバたちの現在の生活はともかくこれからの面倒はどうやってみるのだろう。定職につかず身元を隠して生きている彼ら彼女たちは、将来のことが心配ではないのだろうか。たかだか数千万円ぐらいもらったからってこれからの人生の方がずっと長いよ。またメンバのうち二人も殺されていて、彼ら彼女たちの心情はいかがなものだろうか。怖気づいて呑気に豪華ヨットに乗って遊海している気分ではなかろうに。
リーダービリティは相変わらず、抜群だが、いつものように都合のよい進み具合に納得しかねるが、ファンはまたそこに魅力を感じるのだろう。
ちなみに本書のタイトルは、舞台となる場所のひとつの岡山県瀬戸内市牛窓が<日本のエーゲ海>と呼ばれている(そうだ)から。そして「日本の死」とは、私利私欲に塗れた日本の政治家を憂いてのネーミングだとわたくしは推測した。
なお、本書に栞代わりにわたくしが挟んでいたのは、家の近くのコンビニエンスストアのレシート。日付は<2016年3月22日(火) 12:30>とある。たしかに、わたくしは、かすかだが、本書を読んだような記憶がある。レシートは最終ページに折り込んであったので、いつものように途中までの未読ではなく、既読だったのかもしれない。
2026年8月16日読了。

