2025-11-06 南条範夫『念流合掌くずし』春陽堂(春陽文庫) 机上殺人現場 南条範夫『念流合掌くずし』春陽文庫 「(略)あるものは、ただ行く手の空にかかる秋水三尺の孤剣、赫奕たる白銀一振の幻。」 かの菊池仁は、正統派チャンバラ小説として本書を、南條範夫の一番のおすすめ品と挙げている。わたくしはふつうによくできた娯楽時代小説として読んだ。血しぶきは飛ぶには飛ぶが、全体を通しての調子は明朗時代小説。肩ひじを張らずに日向ぼっこしながら読むにふさわしい。 2025年11月6日読了。