雨の国の王者

探偵小説好事家本人のためのノート

その134続これが愉しい・解決篇(2025/4/7)

 さて、前回の<132続これが愉しい・挑戦篇(2025/4/6)>に対しての、あなたの謎とき具合は、いかがだったでしょうか。以下、その解答と、余談です。

1.ボワロ&ナルスジャック『女魔術師』創元推理文庫
2.フレドリック・ブラウン『交換殺人』創元推理文庫
3.佐野洋『重い札束』春陽文庫
4.高木彬光『能面殺人事件』春陽文庫
5.藤原審爾『新宿警察』報知新聞社
6.藤原審爾『悪魔からの勲章』双葉新書
7.藤原審爾マリファナ殺人事件』ジョイ・ノベルス
8.藤原審爾『真夜中の狩人』ジョイ・ノベルス
9.藤原審爾『新宿警察』双葉社
10.藤原審爾『新宿警察』双葉社
11.藤原審爾『赤い殺意・女の性の精』双葉社
12.泡坂妻夫『朱房の鷹』文藝春秋
13.安達征一郎『怨の儀式』逝水選書
14.高村暢児『屈辱の太陽』青樹社
15.上田廣『駅猫』大正出版
16.中薗英助名誉白人』新潮社
17.加納一朗『歪んだ夜』光風社
18.山野浩一『花と機械とゲシタルト』NW-SFシリーズ
19.長沼弘毅『シャーロック・ホームズの世界』文藝春秋
20.長沼弘毅『シャーロック・ホームズの紫烟』文藝春秋
21.長沼弘毅『シャーロック・ホームズ健在なり』番町書房
22.泡坂妻夫『亜智一郎の恐慌』双葉社
23.都筑道夫『ロボットDとぼくの冒険』桃源社
24.泡坂妻夫『春のとなり』南雲堂
25.泡坂妻夫『家紋の話』新潮選書
26.多岐川恭『黒い木の葉』河出書房新社
 
 以前並べた書籍同様、これまた、どれも古書店で買い求めた品のようです。新刊書店で買ったのは、22.ぐらいでしょう。2.12.あたりも、あるいは、そうかもしれません。実店舗の古書店での購入は、確実なのは、3.7.8.17.19.20.21.とやはり少ないですね。
 では、これらの書籍について、簡単に、わたくしの懐古がてら、順に説明しましょう。

 1.二週間前に読了しました。日下弘氏のカヴァデザインも愉しい。
 2.読了済のはずですが、読んだ記憶が一切ありません。
 3.十七年前に再読しています(当ブログ<机上殺人現場>参照)。
 4.五年前に再読しています(当ブログ<机上殺人現場>参照)。愚作と思います。
 5.~11.藤原審爾オンパレードですね。とりたてていうことはありませんが、5.と、9.10.は、収録作が異なります。また、9.と10.はどちらも初版ですが、装丁が異なります。6.は『拳銃の詩』と改題して角川文庫から発行されています。
 11.は「赤い殺意」の題名で一目瞭然だったでしょう。これが「女の性と精」だけだとファン以外は意外に難問かもしれませんね。後者は、わたくしの贔屓の<根来>くんが登場する<新宿警察>番外篇です。
 13.小説好きなひとは、作者名を当てるのは、とても簡単かもしれませんが、叢書名はいかがでしょう。わたくしは、知りませんでした。
 14.さて、高村暢児です。矢でも鉄砲でも持ってこいです。文句があるなら、『悪女が走るとき』ともども読了してからにしてください。
 15.短篇集です。数篇は読んでいるかもしれません。あるいは全篇? 記憶にありません。
 16.作者後期の傑作らしいので、老後?の愉しみにとってあります。
 17.加納一朗のベストです。以前、わたくしは、忖度して作者のベストとして『シャット・アウト』を推しましたが、反省して、云い換えます。加納一朗の探偵小説の最高傑作は、本書と、ここに断言します。
 18.ここだけの話ですが、わたくしは、山野浩一は短篇の方が良いと思います。
 19.~21.文庫で手軽に読むことができるべきです。良書です。
 22.24.25.この作者についてのお話は、また次回にいたしましょう。
 23.天才は天才ですね。
 26.驚くべきは、この大人ぶりです。