
再読。
巧い。さすがは、結城昌治。何度読んでも、その巧みさに唸る。
作者の描く、揺るぎもない真摯で真っ直ぐな性格の主人公や、彼をとりまく人たち、そして、彼らの交わす会話の見事さをご覧あれ。
ここに、国産ハードボイルドの頂点を極める作者の、もうひとつの良品が存在するのだ。
収束のつけ方が駆け足なのは、ご愛嬌としても、翻って、近ごろの所謂“ハードボイルド”を標榜する、魂を揺さぶるというらしい代物がどういうものなのか、心して読むことに挑戦しなくてはと、加虐てき趣味を覗かせてしまう。
2010年11月22日(月)読了。