雨の国の王者

探偵小説好事家本人のためのノート

その100続続書庫の片隅から

 苦節何十年か。西村京太郎はついに鉱脈(それも黄金)を掘り当てる。
 それが「寝台特急殺人事件」(光文社刊)だ。
 ここから、西村京太郎の怒涛の快進撃がはじまる。
 それでは、ブレイクさせた、光文社篇をどうぞ。

 <西村京太郎>文庫・光文社篇

 「京都感情旅行殺人事件」「終着駅殺人事件」「消えたタンカー」「北帰行殺人事件」「第二の標的」「日本一周「旅号」殺人事件」「東北新幹線殺人事件」「下り特急「富士」殺人事件」「ナイター殺人事件」「高原鉄道殺人事件」×2冊「東京駅殺人事件」「殺人はサヨナラ列車で」「上野駅殺人事件」「最果てのブルートレイン」「日本海からの殺意の風」「特急「おおぞら」殺人事件」「山手線五・八キロの証言」「札幌駅殺人事件」「十津川警部の怒り」「特急「あさま」が運ぶ殺意」「奥能登に吹く殺意の風」「九州特急「ソニックにちりん」殺人事件」「仙台駅殺人事件」「伊豆誘拐行」「寝台特急ゆうづる」の女」

 さて、徳間文庫版でも「神話列車殺人事件」を2冊所持していたし、上記でも「高原鉄道殺人事件」を2冊持っている。
 これは、どちらも大好きな作品なので、ひとつを読書用、もうひとつを保存用としているわけではない。そんなことをしたのは、たぶん泡坂妻夫の本ぐらいだ。
 ではなぜそれほど興味もない本が二冊もあるのかというと、それはわたくしの記憶力の問題のみ。
 書店で、やあ、面白そうだと、既に所持している本にもかかわらず、手を伸ばしたに違いない。
 でも、このようなエピソードについて、中学生時分に、石川喬司「極楽の鬼」で、読んだ記憶がある。そのときは、そんな馬鹿な話なんてあるものかと笑って読み飛ばしていたものだが。