雨の国の王者

探偵小説好事家本人のためのノート

1月13日(日)

 ちょっとだけ、昔の話をしよう。
 
 インターネットがひろまる前、同好の士が集まり、草の根BBSというパソコン通信を愉しんでいた。
 わたくしは、その末期に、ある立場から立会い、その終焉を見とどけたのだった。(もちろん、パソコン通信がなくなったというわけではない。ある政治てきな意味で、詳しくは云えないのだが、わたくしたちは、草の根BBSから、泣く泣く離れたというのが、ほんとうのところだ。)

 インターネットも、ある事情から、最初期から、触れていた。
 当時は、常時接続ではなく、ダイヤルアップで接続後、画面をいったんダウンロードして、接続を切断し、おとしこんだデータを読んでいた。
 わたくしは、探偵小説が好きだったから、ネット上で捜すのは、それらに関する類で、よく訪問していたのは、

 1.『我孫子飯店』
 2.『錦通信』
 3.『小林文庫』

 というサイトであった。
 あった、と過去形なのが、淋しいかぎりで、1.は、更新は、ずいぶん長いことなされてないみたいだし、2.は、立ち上げのころから、みまもりつづけていたが、急に閉鎖してしまった。3.は、掲示板もだいぶ荒らされていたが、昨年末に大掃除をしたようで、復活の兆しありか。

 昼食後、逍遥がてら、ちかくの古書店に寄り、

 竹内義朗『黒い果実』講談社
 フレデリック・ダール『並木通りの男』読売新聞社

 の、二冊を買う。
 ダールのは、ハーレクイン・ロマンスの棚に押しこめられていたのを、見つけて、とりあげた。