ちょっとだけ、昔の話をしよう。
インターネットがひろまる前、同好の士が集まり、草の根BBSというパソコン通信を愉しんでいた。
わたくしは、その末期に、ある立場から立会い、その終焉を見とどけたのだった。(もちろん、パソコン通信がなくなったというわけではない。ある政治てきな意味で、詳しくは云えないのだが、わたくしたちは、草の根BBSから、泣く泣く離れたというのが、ほんとうのところだ。)
インターネットも、ある事情から、最初期から、触れていた。
当時は、常時接続ではなく、ダイヤルアップで接続後、画面をいったんダウンロードして、接続を切断し、おとしこんだデータを読んでいた。
わたくしは、探偵小説が好きだったから、ネット上で捜すのは、それらに関する類で、よく訪問していたのは、
1.『我孫子飯店』
2.『錦通信』
3.『小林文庫』
というサイトであった。
あった、と過去形なのが、淋しいかぎりで、1.は、更新は、ずいぶん長いことなされてないみたいだし、2.は、立ち上げのころから、みまもりつづけていたが、急に閉鎖してしまった。3.は、掲示板もだいぶ荒らされていたが、昨年末に大掃除をしたようで、復活の兆しありか。
昼食後、逍遥がてら、ちかくの古書店に寄り、
竹内義朗『黒い果実』講談社
フレデリック・ダール『並木通りの男』読売新聞社
の、二冊を買う。
ダールのは、ハーレクイン・ロマンスの棚に押しこめられていたのを、見つけて、とりあげた。