雨の国の王者

探偵小説好事家本人のためのノート

山口琢也『推理クイズ』梧桐書院(ヤマタク・フォトクイズ・シリーズ)

 “クイズを写真でやりたい、と以前から思っていました。写真は、字の通り真を写す、というもので、やはり文章よりもイラストよりも説得力があるからです。”(まえがきから抜粋)

 とはいうものの、クイズ形式のこの読み物は、約六割が写真問題で、残りは、作者の言うところによると写真よりは説得力のない文章やイラストでの出題なのだ。誇大広告だと憤るのはさておいて、例えば本書の、21<怪盗120面相、店開きに失敗す!>の答えを推理してみてごらんあれ。その回答に腰を抜かすこと請け合いだから。
 作者の、山口琢也氏という人物の著書を、わたくしは、はじめて読まさせていただいたが、これはすごい。
 藤原宰太郎も、真っ青というより、藤原さえも、足許にも及ばさせない、山口琢也は、ある意味孤高の天才なのかもしれない。 
 2010年12月4日(土)読了。