
「沖縄一九五〇年」「裁かれる人々」「ある教祖の死」「天城山心中」「屈辱の時間」「皇居前広場」
以上、6篇を収録。
「裁かれる人々」「ある教祖の死」が面白い。
2025年2月15日読了。
これで『小説 昭和事件史』全巻読み了えてしまった。とても愉しかったので、もう続きが読めないのは残念だ。
残念ついでに、本シリーズ(『小説 昭和事件史』)についての不満を次に挙げる。
①『小説 昭和事件史』という題名が遺憾。
②初出誌名の記載が無い。
③文庫版が発行されていない。
以上が、気に入らない。
①わたくしは、書名を見ての先入観から、書き下ろしの連作集かと思い込んでいた。実際は、昭和時代に起きた事件に絡んだ、各小説誌に掲載した短篇を年代順に収録した作品集だった。単に、『有馬頼義短篇選集』とか、『有馬頼義事件小説集』と付けられなかったのか。タイトルを見て敬遠したひとは、わたくしを含め少なくなかったろうに。
②自分で調べなければいけないじゃないの。不親切だよ。
③流行作家の宿命か。傑作ぞろいの良い作品集なのに、振り向きもされないなんて、愛読者として寂しい限りだ。