
ミュージカルの著作権争いから起こる連続殺人事件が中心のお話だが、探偵小説の恰好として面白いのは地名の錯覚ぐらいで、あとはとりたてて称賛すべきところはないように思う。
それよりも、わたくしが気になったのは、
・・・・・・ダニー・ギムプはキャレラにとっては、ただの密告者ではない。ダニー・ギムプは血も涙もある人間なのだ。(『殺しの報酬』井上一夫訳)
嗚呼<ダニー・ギンプ>(山本博訳)も死んじゃったよ。
おなじみ<ハル・ウィリス>刑事も銃で撃たれて重傷を負うし、こうやって、慣れしたんだ登場人物たちが、大怪我をしたり、命を落としていくのは辛いものがあるが、いともあっさりと、彼ら/彼女らを葬り去ることができる非情さを持ち合わせているのが、エド・マクベインの職業作家としての力量なのだね。
2022年9月7日読了。